水分3に持ち込んだFXアナキンROTS with PetitCroutonについてなんで、記事の時系列が少し前後しとります。
ずいぶん前に購入したままうっちゃっているラリグラ。
入手当初はチャンバー仕込んでやるんだいと息巻いて必要なパーツ
を揃えていたりもしたが、そのままになってしまっている。
今は無理でも、いつかきっと…! そのうち…!
その際に購入していた初期型PetitCrouton V1.5-Lもしまい込んだままこれも放置状態。今やPCのバージョンは2.0でFoCすらできるようになっているというのに。
なんか勿体なくて、
コンバージョン済みFXに仕込んでやることを決意したのが去年の12月頃。どれにいれるのが楽しいかなーと考えて、
サーキットボードを光らせたら面白かろうとアナキンROTSを選
んだ。
一昨年の晦日、コンバート完了直後のFXアナキンROTS
コンバートした際、
下手を打ってサーキットボードを傷つけてしまっていて、
せっかくの「顔」が台なしになってしまっていた。
それを真鍮板で置き換えたいと常々考えていて、
どうせなら穴みたいなところに実際に穴を開けて、
裏側からLEDで照らしてやろーかなーと、漠然な構想があった。
養生テープを貼るなどして保護するという知恵がなかったのですな
サーキットボード作りだが、
当初はシールで貼ってごまかしてやろうとか思ってたのだけど、
貧相だし、触ってるうちに剥がれたりするのは困るので却下。
次にえぬむらさんの提案でレーザーパターンニング業者も当たって
みたが、線の幅が0.5mm、穴の大きさは0.8mmという細かい細工は無理だと断られた。
そのほかエッチングを用いてはどうかとのアドバイスもあったが、
酸を用いたり、作業後の廃棄物処理が大変等の問題が有り、
これも無理。途方に暮れていたのである。
そんなこんなでまたもや作業を諦めていたが、水分3への出展が決まり、持っていくブツに彩りを添えたくて気合を入れて作業を始めたのがチャンバラオフが終わったころ。それでもだらだらやってたらどんどん時間が経過し、完成したのは水分の2日前。最後の方は午前2時頃まで夜なべしてました。
手彫りで直線を出すのはとても難しい。
フライス盤の導入すら真剣に考えた。
まずはとにかくやってみようということで、
溝掘り用にプラモのスジ彫で使われている
0.5mm幅のタングステン鋼製のタガネを購入。
パソコンでサーキットボードの図柄を作成し、
それを透明粘着シートに印刷し、真鍮板に貼付けて型紙とする。
購入直後はキラキラしてるけどすぐに酸化して曇ってくる
穴あけ用ポンチを打った後
穴開け自体は0.8㎜
径のドリルをドレメルに装着して開けることが出来たが、
これも微妙にズレる。手作業ではどうしてもこうなるし、
ドレメルの装着スタンド自体、樹脂性で圧に負けて刃先がぶれてしまうのだ。
歪むーぅぅぅん
でタガネで掘ってみる。
手前のがタガネ。0.5mm幅
図柄の上をなぞるようにして彫って見るも、
とうぜんながら線が歪んで使い物にならない。
ダメだコリャ
一口に彫る、というが、何回も何回もなぞらないと深く彫れない。なんかの修行みたいにひたすらなぞり続けた。で、結果ダメだから心が折れたり。
何度か試行錯誤の末にこれで行けるかなというボードを作れたが、
そのやり方は下記のようなものである。
- まず穴開け部分にポンチを打つ。
- 同じく線の端や角にもポンチを打つ
- 穴を開ける
- 線のキワ、つまりスジ彫のワクに定規を当ててアートナイフでスジを引く。
- ポンチを基準にして定規を当てながらプラカッターで溝を彫る。
- ある程度溝彫りができたら型紙を剥がし、さらに彫る。
- 溝が深くなって来たらタガネでなぞって形を整える。
アートナイフでスジを引いておくことにより、
金属が剥がれやすくなって、形が現れやすくなるし、
若干のガイドも果たすようだ。
まさかプラカッターで真鍮が彫れるとは思ってなかった。
タガネで何度も削ったのにたいした深さにも成ってなかったのにガ
ッカリしてヤケクソで使ってみたら正解だったのだ。それでも何回も重ねて彫らないといけないけれど。
各点にポンチを打っていく
良い感じ?(試作品で予備に回した)
一応、予備も含めて2枚ほど作成して、真鍮板から切り出す。
これもプラカッターで予め枠線のスジを彫っておき、
そのキワをドレメルの切断砥石を走らせて切り出したあと、
棒ヤスリで削ってプラカッターのスジをガイドとして形を慎重に整
えた。
切り出し&整形完了後
正直、あんまり良い出来とは言えないが、これで妥協しておく。
あとは丁寧に研磨。ペーパーで出っ張りを削り落とし、最終的にはピカールで磨き、鏡面に近づける。そのあとミッチャクロンを吹いて、クリアーで保護して、
エナメルで墨入れ、
ってやろうとしたら墨入れのはみ出したところエナメル溶剤で拭い
たら下のクリアーまで拭き取られてしまい、地肌が露出した。
ええっ!?
って驚いて調べてみるとタミヤのアクリルラッカーはエナメル溶剤
に溶けるらしい。がっくり。
スミ入れに失敗する前
上は試作品
方法を変えて、エナメルはある程度金属に乗りやすいので、
ミッチャクロン前に墨入れして、そのあとミッチャクロン、
クリアーと載せることにした。
ちなみにミッチャクロンはタミヤラッカー用の溶剤で拭き取ること
ができた。
まずはサーキットボードが出来た。お次は光ファイバーのテスト。
サーキットボードの穴を光らせるためには裏側に光源を仕込みたい
が、そのスペースがない。また、2色を綺麗に光らせたかった為、
光ファイバーで導光することにした。
最初は穴のサイズにピッタリ合う0.75㎜径のを用いてみたが、
曲げることが難しく、スペースに収まりそうにない。
テスト段階。0.75mmでは曲げるのに苦労する。
試作品に突っ込んでみたところ。本数少ないから植毛が楽なんだけどね
困ってツイートしてみたらKEYさんが曲がりやすい細いのを束ねるといいよと
教えてくれた。穴径が0.8㎜なため、0.25㎜
を3本束ねることにした。穴の個数は16個。
つまり必要なファイバーは48本で一色あたり24本。こつこつと切って、
くしゃみ等で飛び散らないように必要な長さに切った塩ビパイプに
差し込みながら切っていく。
0.25mmで髪の毛なみに細い。そしてよく曲がる。
一色分切終えたら、端っこを揃えた上で飛散しないように、
LEDに当たる側から少し離れたとこを瞬間接着剤で固めてしまう
。
そのセットを必要な長さに切った5㎜径(内径3mm)の塩ビパイプ(
キルキーに使ったもの)に通して瞬間接着剤で固定し、5㎜
径の砲弾型LEDを突っ込んだ内径5㎜
のアルミパイプに差し込んで固定。
こうすることでLEDの光と光ファイバーの断面が正しく向かい合
うようになりロス無く正しく導光されるようになる。
アルミパイプに突っ込んだLED
上の写真のアルミパイプはハンズで仕入れた。0.5mm厚でカッターナイフで押し付けながらコロコロ転がしているだけで切れる。
一組完成。飛散しないよう、スコッチテープでまとめてある。
細いのによく光る
光源の遮蔽とかはしてません。めんどくさいんだもーん。ちょっとした狙いもあったし。
2セットできた後はプチクルトンの配線と電池パックの作成。
ここはいつもの作業なので省略。
こんなのラクショーっすよ
それらをすべて配線した後、外径38㎜
のシンクチューブを切削して作成したインナースリーブに納めて配
置を考える。
因みに充電ポートはヒルト内部に収めてます。
ある程度行けそうな感触を得たのち、サブスイッチの作成に入る。
サブスイッチだが何をどこに付けて良いものやらわからず、
ずいぶん迷った。
ヤマビコさんの作例は知ってたが、
あんなとこにスイッチを仕込めるのはヤマビコさんだからだと、
ちょっとあきらめていて、
サブスイッチなしで行こうかとも考えていた。
しかし、
たまたま訪れたパーツ屋でスイッチ部分が長くなってるタクト
スイッチを見つけ、
この大きさならヤマビコさんの作例のように仕込めるんじゃ?
と試してみると何とか行けそうな雰囲気。
タクトスイッチ
じゃぁやってみよう、
どうせだめもとだと、ブレードホルダに配線用の溝、
スイッチ状パーツの基部にも穴を開ける。
わかるかな?
配線が通るあたりを削って広げてある。
実はこの頃、水分3に間に合わせるのに必死で、ところどころ写真を取り忘れております。ブレードホルダに掘った溝とか、タクトスイッチ裏の細かいハンダ付けとかお見せしたかったんですがねー。
さて、試しに上のパーツを組み合わせてタクトスイッチを置いてみたが、
スイッチの側面から出ている端子が邪魔。
だったらスイッチ内部に埋まってる端子を配線に有利なように露出
させちゃえと、スイッチ底部をドレメルで削って、
端子パーツを露出させ、側面から出ている端子を折り取った。
超わかりにくい。
端子パーツの露出はドレメルでゆるゆる削った。端子ごと削りとったら台無しだし。壊しても気にならないぐらい安い部品だが、作業時間が無駄になる。
そしてタクトスイッチの押下部を適当な長さに切り取り、
スイッチカバーになる部分にも加工を行い、
内側をエポキシパテで埋めて、穴を開けて
スイッチをはめ込んでやると良い感じに。
うっしゃぁ!っと思わず声が。
これで全パーツのアセンブリが可能になった。
まずはインナーシュラウドヘの各パーツ接着。
スピーカーを内部においてみたかったので、中央部へ配置。
さらりと書いてますが、ここまで5回ぐらい配置しなおしてます
スピーカーの根本には防震用ゴムを接着してある。
これをしないとおそらくスピーカーの振動がシュラウドを震えさせて
ビビり音の原因になるだろうと。しかし、
思ってもなかったことだが、ゴムを貼っていてもスピーカーの振動をセンサーが拾ってしまい、
平置きにしててもスイング音がなってしまった。
出来るだけ基板から離して設置してみたらおさまってくれたが、PCのセンサー感度パラメーターを調整してやった。
光ファイバーは取り出しやすいようスコッチテープでまとめてから
配置。アクセントLEDが意外と熱くなるため、シンクチューブに直に接触させて熱を逃がせるように配置。
すべてセットし終えたらすべての接続を確認して動作テスト。中に納めてから動かないー!とか最悪だもんね。
問題なく動作することを確認した後、各種パーツを詰め込み固定したインナーシュラウドをヒルト後部から押し入れる。
ある程度まで押し込めたらブレードホルダにセットしたLEDと配
線。
サブスイッチ用ワイヤも所定の位置に出しておいてブレードホルダ
を押し入れ、
先に固定してからインナーシュラウドを完全に押し込み、
固定する。元々内径より太いため、
中で広がってしっかりと固定される。
コントロールボックス下の小さな穴からスイッチワイヤ、
光ファイバーの束をピンセットで引きずり出す。
この姿になるまでが、かなり面倒だった。何度もやり直してる。
コントロールボックス内部の固定用パーツは光ファイバーを通す際に邪魔になる部分は除去、もしくは削ってある。
コンバート前当時の写真。赤い部分を削り、中央部は取り除いた。
配線済みのスイッチをコントロールボックスに取り付けた後、サーキットボードの穴に光ファイバーを3本ずつ組にして通して、長さを整えてから瞬間接着剤で纏める。それが終わってからサーキットボードの穴に同じく瞬間接着剤で固定していく。
植毛中。作業後にコントロールボックスを本体にネジ止め
全部植毛し終えたら、本体にネジ止めしたコントロールボックスにサーキットボードを接着剤で貼付け。
最後はサブスイッチ。ワイヤーは中に押し込みやすいよう、ネジ部分をぐるっと回り込ませてから外に出してある。その状態で基部をネジ止めして固定。
この状態でハンダ付け。その写真撮ってなかった。
ハンダ付け後
非常に細かい部分に細いワイヤを簡単には外れないよう、しっかりとハンダ付けするのが難しかった。配線を押し込みつつ、スイッチを奥に押し込んでキャップを仮置きして動作を確認したあと、スイッチを接着剤で固定し、キャップも接着剤でスイッチに貼付け。
以上で完成!
ジャーン!
苦心したサーキットボード。
待機時(点滅する)
起動時(これも点滅)
動いてる様子は動画で。
地味に苦労したサブスイッチもクリック感がいい。サーキットボードに瞬間接着剤を少しつけてしまい、折角の光沢がちょっと台無し。
そしてポンメルキャップを取り外して内部を除くとこんな様子に。
光ファイバー越しにLEDがこっちを向いて発光しており、妙に美しい。
なんとか水分3に間に合って、東京に持っていくことが出来たのは良かった。結構受けてたみたいだし。
ただ、反省点がいくつかあって、まず音がすごく小さい。FXよりも小さいかもしれない。ヒルトの真ん中にスピーカーを置いたら、たっぷり反響してくれて音量も増幅してくれるだろうと思ってたが、さにあらず、各種パーツに吸収されて小さくなってしまった。ヒルト中央部にでも隠しサウンドホールを空けておくべきだったが後の祭り。やり直すとなると、もう一度植毛を行わないといけない。今のところそんな意欲が沸かない。
次にメインスイッチ。金メッキ塗装が剥げているのだが、直しようがなくて困っている。時間がないからそのままとしたが、何とかしたかった。
最後はサーキットボード。経験を積んだので、もう少しだけいい出来になったかもしれない。まだまだ試せることはあるはず。
もともと中古で入手したこともあって、ヒルトの樹脂パーツ部分がへたっており、いい状態とはいえないヒルト(最初はホコリとヤニまみれ)だったものが、ここまでグレードアップできたのなら、これはこれで満足するべきなのかもね。