2010年8月1日日曜日

ライトセイバー戦

前から思ってたのだが、ライトセイバーは振り回す必要があるのだろうか?

刀身が極めて危険で金属すら瞬時に溶断するのだから、触れただけで深刻なダメージを与えられるのだろう。つまり斬撃力に加速エネルギーを上乗せする必要がないはずだ。ライトセイバー使い同士の戦いならば相手の防衛を押し切ったり、攻撃に対向するために加速を与える必要が発生するのかも知れないが、その為に必要な大きなモーションは相手に動作を読まれてしまう。
そのため、動きが読まれにくい突きを多用することになるのではないか。ボクシングで言うジャブ程度の素早いが軽い一撃でも致命の一撃になりうるため、ライトセイバー同士の戦いには欠かせない攻撃法だろう。
つまり、派手に振り回しまくっていたEP1~3のジェダイたちよりも、突きを交えて戦っていたEP4のオビワンのスタイルこそが真実に近い、合理的な戦い方といえるかもしれない。

普通の剣術・チャンバラとしてみた場合、EP1~6の中で最も優れているのはEP5、6の親子対決。EP1~3は派手に見えるが、レイ・パークなどスタントマン以外はほとんど手先で振り回しており、後ろ足が伸びていないし姿勢も崩れがち。肩も上がってしまって窮屈そう。
EP6のルークは若干腰が引けているが、腕全体を使って剣を振っていて、後ろ足も綺麗に伸びている。そのため、切っ先にも力が籠っている。そしてEP5とEP6のライトセイバー戦は監督の手腕により、映像として美しい。ルーカスではダメなのだ。
剣術としてみたときにライトセイバーが困るのは刀身にさわれないことだ。峰をつかんで手幅を広げて使うことが出来ないし、相手の峰を掴んで刀身を制してしまうこともできない。刀身を前腕、肩に添わせて盾のようにして相手の剣を受け流す技も使えない。危険すぎて使いにくい武器と言える。

ちなみにForce Unleashedでやってるような逆手持ちは日本の剣術では余りやらない(外国の武術は知らないのでなんともいえない)。棒術や短兵器(十手、小太刀、鎖鎌etc)などでは逆手をよく使うけれど。逆手で持つと切っ先が伸びないから、敵の間合いに入り込まなければならなくなる。間合いが最初から長い棒術、最初から間合いに入り込むことが前提の短兵器ではその問題がなく逆手を使え、順手と逆手を使うことによって技に幅が出る。棒術ならば両端を素早く力強く展開できるし、短兵器では相手の武器を刀身を添わせた前腕で受け流し、抑えこむのに使えるし、相手に獲物を隠して近づくこともでき、引き込みや振り下ろしの力を使って刺すことも出来る。
ところが中途半端というかオーソドックスな間合いの剣では逆手の利点があまり無い。長いから隠せないし、両端を使うことがほぼない。切っ先が伸びないし、なにより刀身よりも柄が短い剣では、逆手で敵の攻撃を受けた場合、あるいはモノに当たった場合、テコの原理で手首を痛める恐れがある。逆手になるのは剣を投擲するときぐらいだろう。
椿三十郎のラストで有名な逆手抜き抜刀のような例もある(三船は定寸の刀で抜くことが出来ず、あのシーンでは刀身の短い刀を使っている)が、奇襲だから使えるのであって、あのままで戦うのはキツイだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿